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2020年9月11日|
会社のこと

何故僕たちは十勝で起業した?

十勝が好きだから

株式会社そらを立ち上げた理由はただ一つ。「十勝のことが好きだから」です。
自分が一番好きな場所で、その場所に貢献できる仕事に全力で取り組んでいきたいと思ってきました。

僕は大学時代、全道を周遊しました。知床の北こぶしというホテルで住み込みのアルバイトをしたり、ピッチングマシンを修理するために稚内の高校にも行きました。仕事としてだけでなく、休みを利用して北海道中を周り、その土地の文化や食、人々との触れ合いを体験しました。どの土地も素晴らしく、東京では経験したことのない体験でした。

その中でも、十勝に初めて来たときの衝撃は今でも忘れられません。農地と牧草地が果てしなく広がり、空との境界がどこにあるのかわからない程でした。また、“食材”が圧倒的に美味しい。食材のありのままの状態がここまで美味しいものだと感じることができたのは十勝が初めてです。

十勝に住む人々は、十勝への強い愛を持っている方が多いです。それは自分たちで十勝という土地を開拓したという歴史からくるものかもしれませんし、日本の一次産業を支えている自負からかもしれません。

僕は大学時代から何度も十勝を訪れ、十勝という土地そのものに魅力を感じていましたが、住んでみて更にその魅力を強く感じるようになりました。何よりも人が温かいし、スーパーで普通に売っているような食材もめちゃくちゃ美味しいです。
それに羽田から1時間30分で来ることができるアクセス。観光資源も豊富な十勝が持つポテンシャルは計り知れないものであると考えています。

創業メンバーの3人とも起業する直前まではそれぞれの会社で全力で働いていました。仕事も好きで、僕で言えば野村證券の従業員代表をしていたこともあり、野村證券がどうしたら良い会社になるか、そればかり考えて働いてきました。野村證券のことは大好きでした。
それでも、野村證券のことが好きな気持ちと、十勝が好きでそこで仕事をしたいという気持ちで、後者が上回った。ただそれだけです。

 

熱い起業家魂が集結する“十勝”

実は十勝は、 “十勝イノベーションプログラム”という起業家養成プロジェクト(地元の金融機関、行政、財団、野村総合研究所等がバックアップ)を5年間にわたり開催してきた場所でもあり、熱い起業家魂が集結しています。
野村證券に勤めていた当時、オブザーバーのような形でこのプログラムを見学させて頂く機会に恵まれました。
「地方創生には、時間がかかっても自ら仕事をつくる『経営者』の創造が必要である」、「同質のムラ社会からイノベーションは生まれない。異質なものに触れ、かき混ぜることで全く新しいものが生まれる」との考えが浸透し、集まった参加者同士で侃々諤々の議論を交わし、チームを組み、十勝の強みを活かしたプロジェクトを創り上げていきます。全くの0からプロジェクトを創り、最後は市長や金融機関の理事長、メディアも集まる中でプレゼンテーションを行います。
参加者の熱意は凄まじく、バックアップする行政の方々も熱い十勝愛を持って事業構想にアドバイスを送ります。このように一体となって共創していく過程を見ていて・・自分自身、証券会社としての日常業務を行いながらだったこともあって毎回は参加できないのが悔しかったです。
起業家魂というのは、一朝一夕で地域に根差すものではありません。地域ぐるみでその精神を植え付けていくには、行政や地元の名士、地域金融機関の協力や熱意は必要不可欠です。それだけでなく外部や専門家の知見も地域に取り入れていく必要があり、どうしても時間がかかります。自分が最も好きな十勝に、このような風土が既に根付いていたことも、今回の決断を後押ししました。

 

地方創生の取り組みが各地で生まれて欲しい

東京が好きで東京に住んでいる人は沢山いると思いますが、仕事などの機能が東京に集中しているからという理由だけで東京に住んでいるという人も沢山いるでしょう。
結果として東京一極集中になっている現在の日本は、東日本大震災やコロナ禍のような有事の際にその脆さが露呈します。
僕は自分が一番好きな十勝で、自らリスクを背負い地方創生の取り組みをやっていきます。そしてその0からの軌跡は、起業後に始めたTwitterで失敗も成功も発信していきますし、他の地域で将来地方創生に取り組む人たちの参考になる形で無償提供できるよう自分たちの中でもノウハウとして溜めたいと思います。